モンステラを室内で美しく健康に育てたい方に近年人気なのが、赤玉土や軽石、鹿沼土などを使った「無機質の用土」です。無機質とは、腐葉土などの有機成分を含まず、自然鉱物などからなる素材のことで、通気性・排水性に非常に優れています。モンステラは根腐れに弱いため、こうした無機質用土は根の健康を守り、病気のリスクを減らすのに役立ちます。無機質用土の最大のメリットは「構造の安定性」です。有機質土のように時間とともに分解・崩壊することがないため、数年にわたって水はけと空気の流れが保たれます。また、雑菌やコバエの発生源となる腐敗した有機物がないため、清潔に保てるのも大きな利点です。特に屋内栽培では衛生面のメリットが高く評価されています。一方、無機質の用土は自ら栄養分を持たないため、モンステラに必要な肥料は液肥や緩効性肥料などで適切に補う必要があります。与える量や頻度はややシビアになりますが、それによって逆に肥料管理の自由度が高まり、株ごとの調整がしやすくなります。配合例としては「赤玉土:鹿沼土:軽石=2:1:1」などが定番で、根腐れ防止と保水性のバランスがとれています。軽石やパーライトを増やすと乾きやすくなり、水やり頻度が上がる反面、空気の流れが良くなるため根が非常に元気になります。無機質の用土で育てたモンステラは、根が丈夫に育ちやすく、葉も厚みを持って色つや良く成長する傾向があります。清潔で安定した環境を整えやすいため、長期間しっかりとモンステラを育てたい中~上級者に特におすすめの栽培スタイルです。

無機質の用土とは?

無機質の用土は、岩石や鉱物が風化してできた土 で、有機物がほとんど含まれていません。

主な特徴

無機質の用土の主な特徴は以下の通りです。

  • 通気性・排水性が良い(根腐れしにくい)
  • 分解されにくく、長期間使える
  • 保水性や栄養は少ない(有機質と混ぜることが多い)
  • pH調整がしやすい(植物に適した環境を作りやすい)

主な種類

無機質の用土の主な種類は以下の通りです。

  • 赤玉土(関東ローム層の赤土を粒状にしたもの。保水性と通気性のバランスがよく、基本用土に最適。粒が崩れやすい。)
  • 鹿沼土(火山灰由来の軽石土で、やや酸性。排水性が高く、酸性を好む植物(ブルーベリーや山野草)に向く。)
  • 軽石(火山活動でできた多孔質の天然石。粒状でとても軽い。排水性・通気性が非常に高い。崩れにくく、長期間構造を保つ。根腐れ防止に効果的。表土・鉢底石としても使用される。)
  • 日向土(宮崎県日向地方で採れる軽石。とても硬くて崩れにくく、通気性・排水性に優れる。植え替えにも強い。)
  • パーライト(火山性ガラスを高温で発泡させた白い粒。とても軽く、通気性と排水性を改善するために混ぜる補助材。)
  • 珪砂(けいさ)(石英(シリカ)を粉砕した砂。水はけ・重さを出したいときに使う。粒が細かく、水切れが早い。)

主な用途

無機質な用土の主な用途は、多肉植物・サボテン・盆栽・山野草など、水はけを重視する植物の栽培です。

有機質、無機質どっち?モンステラ栽培で使う観葉植物の用土

モンステラを育てる用土には、大きく分けて有機質と無機質の2種類があります。どちらの方がモンステラの栽培に適しているのか?という事では無く、自らの栽培環境や栽培スタイルに合った用土選びを行います。私は2021年9月にモンステラ栽培を開始したのですが、2021年から2024年までの間は有機質でモンステラを栽培していました。有機質でマンションの天井高である2メートル50センチまでモンステラを育て上げた為、2025年からは無機質の用土でモンステラの栽培を行っています。有機質、無機質両方の用土でモンステラを育てた感想として、有機質はとにかくモンステラを大きくしたい人向けの用土です。無機質はシッカリとした株を作りたい人向けの用土です。どちらの用土にもメリット、デメリットがありますので、自らの栽培環境に適した用土を選ぶ事が大切です。

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