モンステラのカット(剪定)には、成長しすぎて邪魔になった葉・葉柄・気根・根のカット(剪定)と、モンステラを分割して株分する為のカット(剪定)と大きく分けて2種類あります。またモンステラを分割して株分する為のカット(剪定)には、トップカット(Top Cutting)、ミッドカット(Mid Cutting)、ボトムカット(Bottom Cutting)の3種類があります。水耕栽培(水挿し)、挿し木、茎伏せでモンステラを増やす場合は、モンステラの各部の名称と合わせて、モンステラのカット方法を知っておく必要があります。
目次
葉・葉柄・気根・根のカット(剪定)
モンステラを限られたスペースで育てているとどうしても葉・葉柄・気根が邪魔になったり、根詰まりで根腐れが発生し、植え替え時に根をカット(剪定)する必要が出てきます。私がモンステラを栽培するにあたり、葉・葉柄・気根・根のカット(剪定)については、以下の様に対処しています。
- 葉・葉柄のカット(剪定):限られたスペースで育てなくてはならないので、邪魔になったらカット(剪定)する。
- 気根のカット(剪定):極力カット(剪定)せず支柱や植木鉢へと誘導する。
- 根のカット(剪定):根詰まりで根腐れが発生している際には必ず腐った根をカット(剪定)する。
上記それぞれの内容についての詳細を以下にまとめます。
葉・葉柄のカット(剪定)
モンステラの種類の中でもモンステラデリシオーサは、大きく成長するモンステラの種類の為、部屋の中で栽培していると邪魔になってしまう事があります。また横に伸びた株を縦に幹立ち(幹上がり)で仕立て上げ直したいという事もあるかと思います。そんな時は邪魔になった葉柄と葉をカット(剪定)します。
以下はモンステラタイコンステレーションを幹立ち(幹上がり)に仕立て直す際、一部の葉柄をカット(剪定)した時に撮影した栽培記録となります。
葉柄をカット(剪定)した際、茎部分に残った葉柄の一部は、時間の経過と共にポロリと落ち、以下のような見た目に変化していきます。
モンステラは観葉植物です。観葉植物とは綺麗な葉を鑑賞する為の植物です。邪魔だからと葉をカット(剪定)するという事は、観賞できる葉(葉柄)の数が減る事を意味するので、後で後悔しない様に十分検討の上、カット(剪定)する事をおすすめします。また、葉(葉柄)を減らす事で光合成の効率が悪くなり、成長に影響が出るという内容を見かける事があるのですが、私がモンステラを栽培している限りでは、葉(葉柄)をカット(剪定)した事によって成長に影響が出た事は今のところありません。今後問題が発生する際には、以下のモンステラの栽培記録ページで改めてご紹介致します。
気根・根のカット(剪定)
よく見た目が悪く邪魔な気根はカット(剪定)するとの記載を見かける事があるのですが、モンステラが気根を伸ばすという事は、モンステラにとっては必要な気根である為、人間都合で見た目が悪いからと気根をカット(剪定)する事は行わない様にしています。気根は空気中の水分を吸収する役目があるとの記載もよく見かけるのですが、自然界に生息するモンステラは、気根を巧みに使いながら周辺の木々等を掴み、上へ上へと成長していきます。実際に栽培しながらモンステラの気根を観察していると、状態よく成長するモンステラの気根は、植物というよりもまるで何か別の生き物の様な生命力を感じる事があります。以下はモンステラボルシギアナの気根です。
大量の気根を伸ばしている事が確認できると思いますが、状態の良い気根を生長させるモンステラは、とても大きく穴のあいた綺麗な葉を開きます。大きな葉を育てたいのであれば、まずは気根を育てる必要があります。モンステラの気根の詳細については、以下のページでまとめています。
以下も私が栽培しているモンステラタイコンステレーションのイエローモンスターです。
沢山の気根を確認できると思いますが、カット(剪定)した事は一度も無く、全て植木鉢の中へと誘導しています。どの様に気根を植木鉢へと誘導しているかについては、以下のページでご紹介しています。
関連記事:モンステラの気根はカットせず邪魔になる前に植木鉢へと誘導する
根のカット(剪定)
モンステラはとても丈夫な観葉植物で、モンステラが成長しやすい栽培環境を整えてあげるとものすごい成長してくれます。その為、植木鉢の限られたスペースで育てていると根詰まりで根腐れが発生してします。その為、一年に一度、必ず春(3月末から4月)にモンステラの植え替えを行いながら、根の状態を確認し、腐った根がある場合はカット(剪定)する様にしています。以下は実際にマクロコズムの植え替えを行っている際に撮影した写真です。
私が実際どの様にモンステラの植え替えを行っているのかについては、以下のページで詳細にまとめています。
カット(剪定)の種類
モンステラを分割して株分する為のカット(剪定)は、トップカット(Top Cutting)、ミッドカット(Mid Cutting)、ボトムカット(Bottom Cutting)の3種類があります。それぞれのカットの種類と、カット直後の栽培方法について一覧表にまとめると以下の通りとなります。
カットの方法 | 特長 | カット直後の栽培方法 |
---|---|---|
トップカット | 気根が無い状態のトップカット苗の場合、いきなり鉢植えで育てると発根し辛い場合がある為、水耕栽培(水挿し)から挿し木へと移行させた方が育て易い場合がある。 | 水耕栽培(水挿し)、挿し木 |
ミッドカット | モンステラのトップカットとボトムカットの中間にあたるカット(剪定)方法。カット(剪定)直後の栽培方法は主に茎伏せとなる為、水耕栽培(水挿し)、挿し木へと比較すると栽培難易度が高い。ミッドカットした節にある成長点から発芽させる栽培方法。 | 茎伏せ |
ボトムカット | 最初から根がある状態から育てる事ができる為、比較的楽にモンステラを育てる事ができる。根がシッカリと張った株であれば、大きな葉が展開しやすい。 | 挿し木 |
トップカットとミッドカットについては、カット直後、根が出るまでは水耕栽培(水挿し)が一般的ですが、元気な株からカットしたばかりの鮮度の高いトップカット苗であればいきなり挿し木でも育てられる場合があります。ただし、ネット通販等で購入したいつカットしたか分からないカット苗については、鮮度が悪い場合(いつ親株からカットされたのか不明な場合)がある為、いきなり挿し木では失敗するケースがある為、避けた方が無難です。
それぞれのカット方法についての詳細は、以下のページでご紹介しています。
トップカットとボトムカットはどちらの方が成長が早いのか?
モンステラを分割して株分する為のカット(剪定)の種類には、トップカット、ミッドカット、ボトムカットの3種類があります。主にミッドカットは茎伏せで育て、トップカットとボトムカットは挿し木で育てます。ミッドカットの茎伏せは、一番生育に時間がかかる事は容易にイメージできるのですが、トップカットとボトムカットは、どちらの方が育ちがよいのか気になり、約一年ほどかけて確認した結果を以下のページにまとめてみました。