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モンステラにおすすめの用土と選び方
Recommended Soil for Monstera
モンステラ栽培において「これさえ使えば間違いない用土」という万能解は存在しません。むしろ重要なのは、自分の栽培環境下でモンステラが健全に育つ“用土とその選び方”を理解・調整することです。このセクションでは、私がこれまで試行錯誤してきた経験をもとに、有機質用土・無機質用土・支柱で使う用土・地植えの4つの視点からおすすめの用土を分類し、それぞれ選ぶ際のポイントを解説します。




用土選びのポイント
モンステラの用土は、「これでなければならない」という絶対的な正解があるわけではありません。重要なのは、自分の栽培環境に合った用土を見つけ、それを安定して使い続けることです。用土を頻繁に変えることは、根が新しい環境に適応できず、根腐れや生育不良を招く原因にもなります。私がモンステラの用土を選ぶうえで最も重視しているのは、自分の環境下で根腐れしにくい用土を選ぶことです。根が健全で呼吸できる状態を維持できれば、葉も幹も自然と力強く成長します。特にモンステラは水分を多く好む一方で、過湿には極めて弱い植物です。そのため、通気性・排水性・保水性のバランスを見極めることが、用土選びの最大のポイントになります。同じ用土でも、気温・湿度・日照量・水やり頻度・鉢の素材やサイズによって、その働き方は大きく異なります。例えば、赤玉土や軽石を多めにすると排水性が高まり、逆にピートモスやバーク堆肥を増やせば保水性が高まります。これらの比率を自分の栽培環境に合わせて微調整することで、モンステラにとって理想的な根圏環境を長期的に維持できます。「良い用土」とは、成分や配合ではなく、根が常に呼吸できる環境を保てるかどうかで判断すべきものです。モンステラの立場に立って考えれば、最適な用土は自然と見えてきます。長く安定して使い続けられる配合こそが、健康で美しい株を育てる最大の近道です。
FAQ
モンステラの土について寄せられた質問と回答
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モンステラを5月から10月の成長期は地植え(土壌)で育て、11月から4月は鉢植え(用土)で育てるのはありですか?
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土壌と用土は、地上と水中ほど極端な違いはありませんが、裸足で芝生を歩くのと、靴を履いてコンクリを歩くぐらいの違いがあります。地植えから鉢植えに戻すと、根が「通気が違う」「保水が違う」などに敏感に反応してストレスを与えてしまう可能性があります。もし鉢植えを地植えに違い状態にしたいのであれば、「鉢ごと土に埋める(ポットイン地植え)」がよいと思います。この方法であれば、地温の安定性+鉢管理の柔軟性を両立できます。
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無機質用土は「成長はゆっくり」有機質用土は「成長が早く」という解説をYoutube等でよく見かけるのですが、この差は用土依存では無く、肥料依存ではないでしょうか?
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おっしゃる通りです。実際、「成長が早い/遅い」という差は土自体の成分よりも、土に含まれる肥料量や栄養供給の速度による影響が大きいです。整理すると以下の内容となります。
- 土そのものの影響
無機質土
- 栄養はほぼないので、液肥や固形肥料を与えなければ成長はゆっくりになる
- 逆に肥料を適切に与えれば、無機質土でも成長は有機質土と同等になる
- 強みは「通気性・水はけが良いので根腐れしにくい」こと
有機質土
- 微生物や有機物により栄養が自然に供給される
- 初期の成長は早くなる傾向がある(肥料を追加しなくても栄養があるため)
- ただし水はけがやや悪く、根腐れしやすい
- 肥料依存の方が大きい理由
- 肥料を十分与えると、無機質土でも成長スピードは有機質土に匹敵
- 有機質土でも肥料不足や微生物の分解速度が遅い場合は成長は止まる
つまり「成長速度」は土の種類そのものよりも、肥料の供給量・頻度・吸収効率に依存します。「成長は早い/遅い」という表現は、土そのものの種類よりも肥料(栄養)供給の有無で決まることがほとんどです。ただし、根の健康や水管理のしやすさは土の種類依存です。
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無機質用土はなぜ有機質用土よりも植物が丈夫に育つのでしょうか?
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「無機質用土の方が植物が丈夫に育ちやすい」と言われるのは、主に次のような理由からです。
- 排水性・通気性が良い
- 赤玉土、鹿沼土、軽石などの無機質用土は粒構造が崩れにくく、根の周りに水と空気のバランスが保たれやすいです。
- 根腐れや酸欠を防ぎ、根が健康に育つ → 植物全体が丈夫になります。
- 腐敗・カビのリスクが低い
- 有機質用土(腐葉土、ピートモスなど)は時間が経つと分解され、カビや雑菌、コバエの発生源になることがあります。
- 無機質用土は基本的に「無機鉱物」なので腐敗せず、病害虫のリスクが少ないです。
- pHや成分が安定している
- 有機質は分解過程でpHや栄養バランスが変化しやすいですが、無機質用土は化学的に安定しており、根が環境ストレスを受けにくいです。
- 肥料管理がしやすい
- 無機質用土自体には栄養がほとんどありません。逆に言えば、肥料でコントロールしやすいということ。
- 水耕栽培に近い感覚で、必要な養分を「与えた分だけ吸収」させられます。
- まとめ
- 有機質用土 → 栄養はあるが、分解や雑菌で環境が変わりやすい。
- 無機質用土 → 栄養はないが、清潔で環境が安定するので根が健全に育ちやすい。
そのため、特に観葉植物(モンステラやサボテン、多肉など)は、無機質主体の用土で育てた方が長期的に丈夫に育ちやすいと言われています。
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斑入りのモンステラの斑は、無機質用土を使うことで傷んで茶色くなりませんか?
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無機質用土を使うことで、通気性と排水性が高いため、根腐れや過湿による斑の傷みを防ぎやすくなります。
斑入りの部分は葉緑素が少なく、光や水分ストレスに敏感です。無機質用土は有機質用土と比べて腐敗しにくく、pHが安定しているため、根の健康を長期的に維持しやすく、結果的に葉全体の安定性にもつながります。ただし、注意すべきは乾燥の早さです。無機質用土は水分保持力が低いため、極端な乾燥が続くと斑の細胞が水分不足を起こし、葉が傷むことがあります。この場合は用土の問題ではなく、水やりのタイミングや光量管理が原因です。
無機質用土を使う際は、以下のような管理を意識するとより安定します。
- 乾き切る直前での給水を徹底する
- 直射日光を避け、明るい半日陰で管理する
- 風通しを確保し、鉢内温度の上昇を防ぐ
これらを守ることで、斑の褐変を防ぎつつ、美しい模様を長期的に維持することが可能です。つまり、無機質用土は「斑を傷める土」ではなく、「斑を守る環境を作る土」と考えるのが正確です。
有機質、無機質どっち?モンステラ栽培で使う観葉植物の用土
Organic Or Inorganic
モンステラを自然界に近い姿で、早く美しく育てたいと考える場合、有機質用土と無機質用土のどちらを選ぶかは非常に重要なテーマです。どちらにも長所と短所があり、栽培環境や目的によって最適な選択は変わります。
私は2021年からモンステラを栽培しており、2021年から2024年までの鉢植えでは有機質用土を、2025年からの鉢植え栽培では無機質用土を使用しています。そして、支柱内部では無機質寄りの用土を使い分けています。これは、根が置かれる環境の違いを意識して選んでいるためです。
鉢植えでは、モンステラの根が主に横方向に広がります。そのため、腐葉土・ピートモス・バーク堆肥などを主体とした有機質用土を使用することで、自然界の落葉層に近い保水性と栄養供給性を再現できます。有機質用土は微生物活性が高く、分解の過程で緩やかに肥料分を供給し、葉の展開を促進します。ただし、長期間の使用で用土が劣化すると、密度上昇や通気性の低下によって根腐れのリスクが高まる点には注意が必要です。
一方、支柱内部では条件がまったく異なります。私は透水管(ネトロンパイプ)を支柱として使用していますが、この中では気根が縦方向に伸び、限られた空間に根が密集します。有機質成分を多く含むと排水性が悪化し、酸欠状態になりやすいため、根腐れを防ぐ目的で無機質素材中心の配合を採用しています。特に支柱内部の根腐れは、外部からの対処が難しく、株全体にストレスを与えてしまうため、予防が最重要です。
無機質用土には、赤玉土・軽石・鹿沼土・ゼオライトなどがあり、通気性・排水性・pH安定性に優れています。構造が崩れにくく、長期間にわたり清潔で安定した根圏環境を維持できるため、根腐れ防止や通気性の確保に最適です。私はこの無機質配合を2025年から鉢植え栽培にも導入し、成長スピードはやや緩やかでも、環境変化に強い健全な株が育つことを確認しています。
一見すると「自然=有機質」と思われがちですが、実際には環境を人工的に制御する鉢植え・支柱栽培では通気性の確保が最優先です。特に室内や高湿環境では、無機質素材を組み合わせることで、根腐れやカビの発生を大幅に抑えることができます。
以下のページでは、有機質・無機質それぞれの特徴と、栽培環境別の使い分け方をさらに詳しく整理して紹介します。
モンステラを大きくしたい!1年で早く美しく大きく育てた実績とポイント
Organic Or Inorganic
モンステラを早く美しく大きく育てる方法についてご紹介いたします。モンステラを大きく育てたいとお問合せいただく方々の中には、フリマやオークションサービスで、誰よりも早く美しく大きく育てたモンステラを販売したいという人もいらっしゃいます。しかし、販売を目的に大きく育てたいという人と、命を大切にしながら栽培を目的にモンステラを大きく育てたいという人では、不思議と後者の方の方がモンステラを美しく大きく育てる事ができています。モンステラを大きく成長させる方法は、SNS、Youtube、ホームページなど、国内外の情報を眺めていると、とても様々な情報が出てきます。それらの方法でもモンステラを大きくできるのかも?しれませんが、自然界で生息しているモンステラは、人の手によって葉をカット(剪定)されたりする事なく大きな葉に成長しています。また、モンステラを大きくする方法について解説している動画やページでは、力説ばかり目立ちますが、立派な温室では無く、実際に一般の家庭環境で大きく育ったモンステラの栽培実績が出て来ないのも説得力がありません。自然界と一般家庭であれば、当然自然界の方が生育環境としては勝るとおっしゃる方々も大勢いらっしゃいますが、私は湘南エリアのマンションで、モンステラデリシオーサであれば、一枚の葉のサイズが1メートルを超えるまで、モンステラボルシギアナであれば、一枚の葉のサイズが70センチを超えるまで実際に現在も育て上げています。モンステラボルシギアナについては、2年以内に小さな苗から、全長が2メートルを超えるまで育てた栽培実績もあります。これらの栽培の記録は全てモンステラの栽培記録に時系列に分かりやすく、ありのままの事実が把握できる様にまとめています。本ページでは、モンステラを早く美しく大きく育てるポイントについて、実際に早く美しく大きく育ったモンステラの栽培実績紹介と合わせまして分かりやすくご紹介いたします。
