モンステラにおすすめの用土と選び方

モンステラ栽培において「これさえ使えば間違いない用土」という万能解は存在しません。むしろ重要なのは、自分の栽培環境下でモンステラが健全に育つ“用土とその選び方”を理解・調整することです。このセクションでは、私がこれまで試行錯誤してきた経験をもとに、有機質用土・無機質用土・支柱で使う用土・地植えの4つの視点からおすすめの用土を分類し、それぞれ選ぶ際のポイントを解説します。

大きく育てたいなら有機質用土|栄養豊富で成長促進

私はモンステラ栽培を開始した2021年9月から2024年までは、「とにかく早く大きく育てたい」という思いから、有機質用土を使用していました。モンステラを早く美しく成長させるために最も重要なことは、環境を安定させることです。頻繁な植え替えや、毎回異なる配合の用土を使うことは、根が新しい環境に適応できず、成長を著しく妨げます。モンステラが大きく育つためには、根が鉢いっぱいに張り巡らされることが不可欠です。そのためには、自然界に近い環境を再現できる有機質用土が有効になります。有機質用土には、腐葉土やピートモス、バーク堆肥などの微生物活性が高い素材が含まれています。これらは保水性と緩やかな肥料効果をもたらし、根の成長を促す「団粒構造」を形成します。結果として、モンステラが葉を大きく展開しやすくなり、短期間でボリュームのある株に育ちやすい傾向があります。私自身、Amazonで購入できる一般的な観葉植物用の培養土のみを使用し、この環境下で1年で高さ約2メートルまで成長したモンステラを育てた実績があります。もちろん、これが“唯一の正解”というわけではありません。用土は環境との相性が非常に重要で、気温・湿度・日照・水やり頻度によって最適な配合は変わります。私の栽培環境では、結果的にこの市販の観葉植物用土が非常に相性の良い選択肢でした。モンステラの成長状態を見れば、その適合性は明らかです。ぜひ皆様も、他人の推奨を鵜呑みにせず、ご自身の栽培環境下で最も成長実績の出る用土を見つけてみてください。モンステラは環境とのバランスをつかめば、想像以上のスピードで成長してくれる植物です。

無機質用土で育つ強いモンステラ|通気性と安定性が斑を守る鍵

有機質用土で2メートル以上に成長したモンステラを育ててみると、モンステラの最大の特徴である「圧倒的な成長力」と同時に「場所を取る草姿の大きさ」も強く実感しました。そこで2025年からは、成長スピードよりも株の健全性と長期維持を重視し、無機質用土への切り替えを行っています。無機質用土は、有機質のような栄養分は少ないものの、通気性・排水性・pH安定性に優れ根腐れを防ぎながら根の呼吸を促すことができます。根が健康であれば、株全体の耐病性・耐湿性が向上し、特に斑入りモンステラの繊細な葉を長く美しく保つうえでも効果を感じます。私は「斑を傷めずに長期維持できるか」をテーマに、2025年以降も検証を続けています。使用している配合は、赤玉土:鹿沼土:軽石=2:1:1。ベラボンなどの有機繊維はあえて使わず、3種類の無機質素材(中粒)のみで構成しています。この組成により、鉢内部の空気循環が良く、根が酸欠を起こさずに太く強く成長する傾向が見られます。また、pHが中性〜弱酸性で安定しているため、根圏環境が長期間変化しにくく、数年単位の管理にも向いています。有機質用土と比べると、成長速度は穏やかになりますが、その分、環境変化に強く、葉・茎・根すべてが密度の高いしっかりした株に育っています。無機質用土は特に「室内栽培」や「斑入り株の維持」に適しており、スピードよりも安定性を優先する選択肢として、一度試す価値があります。

支柱栽培で使っている用土|鉢内の排水と固定性を重視

モンステラを早く美しく育てるために最も重要なのは、健康で呼吸できる根を作ることです。根が健全であれば、葉も幹も自然と力強く育ちます。特に鉢植え栽培では、根が鉢内だけで完結してしまいがちですが、支柱を設けることで根の生育空間を縦方向に拡張させることができます。モンステラの気根は本来、空気中の水分を取り込みながら、木の幹などにしっかりと固定して成長します。その性質を活かし、支柱内部に通気性と保水性を兼ね備えた用土を入れることで、鉢のサイズを小さく保ちながらも根を上方向へ導くことが可能になります。結果として、限られたスペースでも健全で美しい株を維持できます。支柱内の用土は、通気性と排水性のバランスが重要です。どんなに優れた用土を用意しても、根腐れしてしまえば成長は止まります。そこで私は、根腐れを防ぎつつ、根が活着しやすい適度な保水力と固定性を両立させるために、以下の配合を採用しています。

ココチップ(ヤシガラチップ)3:赤玉土(中粒)2:軽石2:鹿沼土1

ココチップは空気を多く含むため通気性が高く、気根が絡みつきやすい素材です。赤玉土と軽石は水分を保持しつつも過湿を防ぎ、鹿沼土はpHを弱酸性に保つ効果があります。この4素材をブレンドすることで、通気性・保水性・pH安定性を兼ね備えた支柱内部環境を作ることができます。この配合を用いた支柱では、モンステラの気根がまるでイモムシの脚のように密に伸び、内部の用土にしっかりと入り込んでいきます。鉢内に根を張らなくても、支柱を通して十分な栄養吸収と固定が可能になり、根腐れに強く、見た目にも美しい草姿を維持できます。詳しい配合例や支柱の構造については、以下のセクションで詳しく紹介しています。支柱の内部設計を工夫することで、鉢サイズを抑えつつ、立体的で力強いモンステラを育てることができます。

地植えの場合は“用土”ではなく“土壌環境”が重要

モンステラに限らず、植物は根をしっかりと地中に張ることで、強靭で安定した幹や葉を支えます。そのため、鉢植えよりも地植えの方が根の活動範囲が広く、株が大きく育ちやすいのは自然なことです。地中に張った根が十分に酸素と水分を得られれば、成長速度も葉のサイズも鉢植えとは比較になりません。私は湘南方面のマンションの庭でモンステラを地植え栽培しており、冬季の越冬・開花・交配にも実際に成功しています。地植えのモンステラが根を張っている土壌は、特別に整えたものではなく、マンション新築時の建築廃材が混ざる未改良の地盤土です。掘り返すと、岩や針金、軍手、ビニールテープなど、ありとあらゆる素材が混在しています。それでもモンステラはその環境を選ばず、太い根を地中深くまで伸ばし、力強く生育しています。この経験から感じるのは、モンステラの地植えにおいて重要なのは用土の種類ではなく“土壌環境”そのものだということです。通気性・排水性・保温性・pHバランスといった要素が整っていれば、モンステラは多少荒れた土壌でも十分に適応します。特に湘南エリアのような温暖で湿度の高い沿岸気候では、根の活性が落ちにくく、冬でも地温が一定に保たれるため、露地での越冬が可能となります。私の庭では、地植え栽培でも支柱を一切使用していません。モンステラたちは自ら気根を伸ばし、壁やフェンスに絡みながら登り、自然に巨大化していきます。これは本来の自生環境に近い姿であり、鉢植え栽培では得られない生命力を感じます。モンステラの地植え栽培は、鉢植えのように用土配合を最適化するアプローチではなく、“土壌構造と気候条件を理解して整える”栽培方法です。詳しいポイントや私の実際の栽培記録は、以下のページでまとめています。

モンステラオーレアの花

用土選びのポイント

モンステラの用土は、「これでなければならない」という絶対的な正解があるわけではありません。重要なのは、自分の栽培環境に合った用土を見つけ、それを安定して使い続けることです。用土を頻繁に変えることは、根が新しい環境に適応できず、根腐れや生育不良を招く原因にもなります。私がモンステラの用土を選ぶうえで最も重視しているのは、自分の環境下で根腐れしにくい用土を選ぶことです。根が健全で呼吸できる状態を維持できれば、葉も幹も自然と力強く成長します。特にモンステラは水分を多く好む一方で、過湿には極めて弱い植物です。そのため、通気性・排水性・保水性のバランスを見極めることが、用土選びの最大のポイントになります。同じ用土でも、気温・湿度・日照量・水やり頻度・鉢の素材やサイズによって、その働き方は大きく異なります。例えば、赤玉土や軽石を多めにすると排水性が高まり、逆にピートモスやバーク堆肥を増やせば保水性が高まります。これらの比率を自分の栽培環境に合わせて微調整することで、モンステラにとって理想的な根圏環境を長期的に維持できます。「良い用土」とは、成分や配合ではなく、根が常に呼吸できる環境を保てるかどうかで判断すべきものです。モンステラの立場に立って考えれば、最適な用土は自然と見えてきます。長く安定して使い続けられる配合こそが、健康で美しい株を育てる最大の近道です。

FAQ

モンステラの土について寄せられた質問と回答

モンステラを5月から10月の成長期は地植え(土壌)で育て、11月から4月は鉢植え(用土)で育てるのはありですか?

土壌と用土は、地上と水中ほど極端な違いはありませんが、裸足で芝生を歩くのと、靴を履いてコンクリを歩くぐらいの違いがあります。地植えから鉢植えに戻すと、根が「通気が違う」「保水が違う」などに敏感に反応してストレスを与えてしまう可能性があります。もし鉢植えを地植えに違い状態にしたいのであれば、「鉢ごと土に埋める(ポットイン地植え)」がよいと思います。この方法であれば、地温の安定性+鉢管理の柔軟性を両立できます。

無機質用土は「成長はゆっくり」有機質用土は「成長が早く」という解説をYoutube等でよく見かけるのですが、この差は用土依存では無く、肥料依存ではないでしょうか?

おっしゃる通りです。実際、「成長が早い/遅い」という差は土自体の成分よりも、土に含まれる肥料量や栄養供給の速度による影響が大きいです。整理すると以下の内容となります。

  1. 土そのものの影響

無機質土

  • 栄養はほぼないので、液肥や固形肥料を与えなければ成長はゆっくりになる
  • 逆に肥料を適切に与えれば、無機質土でも成長は有機質土と同等になる
  • 強みは「通気性・水はけが良いので根腐れしにくい」こと

有機質土

  • 微生物や有機物により栄養が自然に供給される
  • 初期の成長は早くなる傾向がある(肥料を追加しなくても栄養があるため)
  • ただし水はけがやや悪く、根腐れしやすい
  1. 肥料依存の方が大きい理由
  • 肥料を十分与えると、無機質土でも成長スピードは有機質土に匹敵
  • 有機質土でも肥料不足や微生物の分解速度が遅い場合は成長は止まる

つまり「成長速度」は土の種類そのものよりも、肥料の供給量・頻度・吸収効率に依存します。「成長は早い/遅い」という表現は、土そのものの種類よりも肥料(栄養)供給の有無で決まることがほとんどです。ただし、根の健康や水管理のしやすさは土の種類依存です。

無機質用土はなぜ有機質用土よりも植物が丈夫に育つのでしょうか?

「無機質用土の方が植物が丈夫に育ちやすい」と言われるのは、主に次のような理由からです。

  1. 排水性・通気性が良い
  • 赤玉土、鹿沼土、軽石などの無機質用土は粒構造が崩れにくく、根の周りに水と空気のバランスが保たれやすいです。
  • 根腐れや酸欠を防ぎ、根が健康に育つ → 植物全体が丈夫になります。
  1. 腐敗・カビのリスクが低い
  • 有機質用土(腐葉土、ピートモスなど)は時間が経つと分解され、カビや雑菌、コバエの発生源になることがあります。
  • 無機質用土は基本的に「無機鉱物」なので腐敗せず、病害虫のリスクが少ないです。
  1. pHや成分が安定している
  • 有機質は分解過程でpHや栄養バランスが変化しやすいですが、無機質用土は化学的に安定しており、根が環境ストレスを受けにくいです。
  1. 肥料管理がしやすい
  • 無機質用土自体には栄養がほとんどありません。逆に言えば、肥料でコントロールしやすいということ。
  • 水耕栽培に近い感覚で、必要な養分を「与えた分だけ吸収」させられます。
  1. まとめ
  • 有機質用土 → 栄養はあるが、分解や雑菌で環境が変わりやすい。
  • 無機質用土 → 栄養はないが、清潔で環境が安定するので根が健全に育ちやすい。

そのため、特に観葉植物(モンステラやサボテン、多肉など)は、無機質主体の用土で育てた方が長期的に丈夫に育ちやすいと言われています。

斑入りのモンステラの斑は、無機質用土を使うことで傷んで茶色くなりませんか?

無機質用土を使うことで、通気性と排水性が高いため、根腐れや過湿による斑の傷みを防ぎやすくなります。

斑入りの部分は葉緑素が少なく、光や水分ストレスに敏感です。無機質用土は有機質用土と比べて腐敗しにくく、pHが安定しているため、根の健康を長期的に維持しやすく、結果的に葉全体の安定性にもつながります。ただし、注意すべきは乾燥の早さです。無機質用土は水分保持力が低いため、極端な乾燥が続くと斑の細胞が水分不足を起こし、葉が傷むことがあります。この場合は用土の問題ではなく、水やりのタイミングや光量管理が原因です。

無機質用土を使う際は、以下のような管理を意識するとより安定します。

  • 乾き切る直前での給水を徹底する
  • 直射日光を避け、明るい半日陰で管理する
  • 風通しを確保し、鉢内温度の上昇を防ぐ

これらを守ることで、斑の褐変を防ぎつつ、美しい模様を長期的に維持することが可能です。つまり、無機質用土は「斑を傷める土」ではなく、「斑を守る環境を作る土」と考えるのが正確です。

有機質、無機質どっち?モンステラ栽培で使う観葉植物の用土

モンステラを自然界に近い姿で、早く美しく育てたいと考える場合、有機質用土と無機質用土のどちらを選ぶかは非常に重要なテーマです。どちらにも長所と短所があり、栽培環境や目的によって最適な選択は変わります。

私は2021年からモンステラを栽培しており、2021年から2024年までの鉢植えでは有機質用土を、2025年からの鉢植え栽培では無機質用土を使用しています。そして、支柱内部では無機質寄りの用土を使い分けています。これは、根が置かれる環境の違いを意識して選んでいるためです。

鉢植えでは、モンステラの根が主に横方向に広がります。そのため、腐葉土・ピートモス・バーク堆肥などを主体とした有機質用土を使用することで、自然界の落葉層に近い保水性と栄養供給性を再現できます。有機質用土は微生物活性が高く、分解の過程で緩やかに肥料分を供給し、葉の展開を促進します。ただし、長期間の使用で用土が劣化すると、密度上昇や通気性の低下によって根腐れのリスクが高まる点には注意が必要です。

一方、支柱内部では条件がまったく異なります。私は透水管(ネトロンパイプ)を支柱として使用していますが、この中では気根が縦方向に伸び、限られた空間に根が密集します。有機質成分を多く含むと排水性が悪化し、酸欠状態になりやすいため、根腐れを防ぐ目的で無機質素材中心の配合を採用しています。特に支柱内部の根腐れは、外部からの対処が難しく、株全体にストレスを与えてしまうため、予防が最重要です。

無機質用土には、赤玉土・軽石・鹿沼土・ゼオライトなどがあり、通気性・排水性・pH安定性に優れています。構造が崩れにくく、長期間にわたり清潔で安定した根圏環境を維持できるため、根腐れ防止や通気性の確保に最適です。私はこの無機質配合を2025年から鉢植え栽培にも導入し、成長スピードはやや緩やかでも、環境変化に強い健全な株が育つことを確認しています。

一見すると「自然=有機質」と思われがちですが、実際には環境を人工的に制御する鉢植え・支柱栽培では通気性の確保が最優先です。特に室内や高湿環境では、無機質素材を組み合わせることで、根腐れやカビの発生を大幅に抑えることができます。

以下のページでは、有機質・無機質それぞれの特徴と、栽培環境別の使い分け方をさらに詳しく整理して紹介します。

モンステラを大きくしたい!1年で早く美しく大きく育てた実績とポイント

モンステラを早く美しく大きく育てる方法についてご紹介いたします。モンステラを大きく育てたいとお問合せいただく方々の中には、フリマやオークションサービスで、誰よりも早く美しく大きく育てたモンステラを販売したいという人もいらっしゃいます。しかし、販売を目的に大きく育てたいという人と、命を大切にしながら栽培を目的にモンステラを大きく育てたいという人では、不思議と後者の方の方がモンステラを美しく大きく育てる事ができています。モンステラを大きく成長させる方法は、SNS、Youtube、ホームページなど、国内外の情報を眺めていると、とても様々な情報が出てきます。それらの方法でもモンステラを大きくできるのかも?しれませんが、自然界で生息しているモンステラは、人の手によってカット(剪定)されたりする事なく大きなに成長しています。また、モンステラを大きくする方法について解説している動画やページでは、力説ばかり目立ちますが、立派な温室では無く、実際に一般の家庭環境で大きく育ったモンステラの栽培実績が出て来ないのも説得力がありません。自然界と一般家庭であれば、当然自然界の方が生育環境としては勝るとおっしゃる方々も大勢いらっしゃいますが、私は湘南エリアのマンションで、モンステラデリシオーサであれば、一枚ののサイズが1メートルを超えるまで、モンステラボルシギアナであれば、一枚ののサイズが70センチを超えるまで実際に現在も育て上げています。モンステラボルシギアナについては、2年以内に小さな苗から、全長が2メートルを超えるまで育てた栽培実績もあります。これらの栽培の記録は全てモンステラの栽培記録に時系列に分かりやすく、ありのままの事実が把握できる様にまとめています。本ページでは、モンステラを早く美しく大きく育てるポイントについて、実際に早く美しく大きく育ったモンステラの栽培実績紹介と合わせまして分かりやすくご紹介いたします。