モンステラは、熱帯アメリカを原産とするサトイモ科の観葉植物で、大きな葉に入る切れ込みや穴(フェネストレーション)が特徴的です。観葉植物として人気が高いだけでなく、環境に応じて多様な姿を見せるため、育てる楽しみも尽きません。

そのモンステラを理解し、正しく育てるためには「各部の名称」を知っておくことがとても大切です。モンステラの主な部位には、葉(よう)葉柄(ようへい/ペティオール)茎(くき/蔓のように伸びる部分)節(せつ)成長点(新芽が出る部分)気根(きこん/空気中に伸びる根)、そして地下に伸びる根があります。

これらの部位は、日常の管理だけでなく、水挿し・挿し木・茎伏せといった増やし方を行う際にも深く関わってきます。例えば、節と成長点を含んでいなければ挿し木は発根・発芽しにくく、気根は水耕栽培や支柱仕立てで大きな役割を果たします。

また、部位の名称を理解しておくことで、剪定や仕立ての際にどこを切るべきか、どこを残すべきかが分かりやすくなり、結果的に美しい株姿に仕立てることができます。さらに、花を咲かせたり、交配を試みたりする段階においても、正しい知識は不可欠です。

このページでは、初心者の方にも分かりやすく、モンステラの各部名称とその役割を解説していきます。栽培経験者はもちろん、これからモンステラを育て始めたいと考えている方にも、理解を深める助けとなるでしょう。

モンステラの各部の場所

LOCATION

幹上がり(根上がり)のモンステラデリシオーサの写真を使って、葉柄成長点気根を示すと以下の通りとなります。

モンステラの各部名称の詳細は、以下の通りとなります。

モンステラの各部の詳細

PARTS

PARTS 01

葉(Leaf)

モンステラの象徴ともいえる大きな葉は、光合成を行い株全体の成長を支えます。成長とともに切れ込みや穴が入り、美しい姿へと変化します。

モンステラの葉

PARTS 02

葉柄(Petiole)

葉を支える柄の部分で、茎と葉をつなぐ大切な役割を持ちます。長さや太さで株の健康状態を判断できることもあります。

モンステラの葉柄

PARTS 03

茎(Stem)

モンステラの中心となる軸で、節ごとに葉や気根を出しながら成長していきます。挿し木や茎伏せの際に重要な部分です。

モンステラの茎

PARTS 04

節(Node)

茎の分かれ目にあたり、葉や気根が展開するポイントです。増やす際には、この節を含めて切り分ける必要があります。

モンステラの節

PARTS 05

成長点(Growth Point)

新しい芽が出る部分で、葉や茎が伸びる起点となります。剪定や仕立てを行う際には、この成長点を残すことが大切です。

モンステラの成長点

PARTS 06

気根(Aerial Root)

空気中に伸びる根で、支柱や壁に絡みついて株を支えたり、水分を吸収する働きがあります。水挿しや水耕栽培にも利用されます。

モンステラの気根

PARTS 07

根(Root)

土の中に伸びる根は、養分や水分を吸収して株を生かす最も重要な部分です。健全な根がなければ大きく育ちません。

PARTS 08

花(Flower)

白い仏炎苞と中央の肉穂花序からなる独特の花を咲かせます。観葉植物としては珍しく、私はマンションの庭で開花・交配を行っています。