2025年9月4日(過去の栽培記録はこちら)より開花が始まったモンステラスケルトンに、4番目となる花が開花しました。実際にモンステラを開花させ交配を行っていると、花を咲かせた当事者だからこそ分かる様々な出来事に出会えます。例えば以下のような気づきがあります。

  • モンステラの開花は、まさに園芸の境地。コレクションや販売を目的とした栽培では到達しない生育の極みに現れる現象。
  • 湘南エリアの屋根の無いマンションの庭でも、1株で10花ほど咲かせるモンステラが育ち交配も可能。
  • モンステラは開花直前に成熟の頂点を迎え、斑入り株では葉の彩度が極端に高まり、緑一色の株では複雑な切れ込みや穴をもつ葉を展開する。
  • モンステラの開花そのものよりも、1株でより多くの花を咲かせ、実を結ばせるまでの栽培スキルの方がはるかに重要
  • 最初に咲く花ほど大きく、状態が良い傾向がある。
  • ボルシギアナよりもデリシオーサの花ははるかに巨大。
  • デリシオーサよりもボルシギアナの花は小さいが、採取できる花粉量は圧倒的に多い。

また、SNSでも話題となった「モンステラの花は発熱する」という現象も、自ら屋根の無い庭で越冬・開花・交配を行う中で実感した出来事の一つです。

実際に熱を帯びることで虫媒花として機能し、自然界では昆虫を誘引する仕組みをもつと言われています。

10月に入り、モンステラの開花も終盤となってきましたが、屋外で地植えしているモンステラスケルトンたちは、もうしばらく花を咲かせてくれそうです。湘南の秋空の下、4度目の開花を迎えるこの光景は、園芸を続けてきた者にとってまさにご褒美のような瞬間です。

開花第4弾!モンステラスケルトンの開花と交配(2025年10月6日の様子)

今季4回目、本日早朝に開花したモンステラスケルトンです。

モンステラスケルトンの花
モンステラスケルトンの花

今回咲いたモンステラスケルトンの花は、今まで開花した花の中では一番小さく、仏炎苞のサイズは30センチあるか?ないか?ぐらいのサイズです。

モンステラスケルトンの花

開花が終盤となった事を示すであろう新しい葉が開いてきました。

モンステラスケルトンの新しい葉

そして、斑入りのモンステラスケルトン作出の為、今回準備した斑入りのモンステラ(オーレア)の花粉です。2025年8月21日、9月11日に採取した花粉で、大切に冷凍庫で乾燥剤と一緒に保存していました。

モンステラの花粉

取り出し、キッチンペーパーを広げるサラサラの花粉が出て来ます。

モンステラの花粉

モンステラの花粉採取を経験された方なら感じると思いますが、1株からこれほどの量を採取できるのは、株が健康で充実している証拠です。ハケを使って交配を行います。

交配を行う斑入りモンステラの花粉

モンステラ交配用のハケは、以下のAmazonのページより購入できます。

今季開花し、斑入りのモンステラと交配を行ったモンステラスケルトンの実です。

開花中のモンステラスケルトン

写真では向かって右端の実の裏にもう1本隠れていますが、今期は合計4つの花芽で交配が完了しています。これらの実に一年後、種がしっかりと形成されれば、モンステラスケルトンと斑入りモンステラの交配が成功したことになります。果たして、マンションの屋外の庭で越冬・開花・交配を繰り返してきたこのスケルトンに、種は実るでしょうか。

今回開花したモンステラスケルトンの花を動画でも撮影しました。

引き続き成長に変化がありましたら、モンステラスケルトンの栽培記録を更新します。

モンステラスケルトンの栽培記録

Plant Cultivation Record

時系列で栽培記録が確認しやすいように本ページでご紹介しているモンステラデリシオーサスケルトンの栽培記録のみを一覧で以下にまとめています。

2025年10月6日

開花第4弾!モンステラスケルトンの開花と交配|屋外栽培で迎える秋の最終章

2025年9月23日

開花第3弾!モンステラスケルトンに30センチ超の大輪が咲く

2025年9月15日

開花第2弾!モンステラスケルトンに再び綺麗な花が開花

2025年9月4日

世界初!?モンステラスケルトンがついに開花・交配開始

2025年8月25日

花が咲くまで成熟したモンステラスケルトンの脇芽をトップカット

2025年8月15日

全長35センチを超えてきた巨大なモンステラスケルトンの花芽(蕾)

2025年8月2日

本格的に姿を現したモンステラスケルトンの花芽(蕾)

2025年7月27日

モンステラの交配に向け同時開花直前のモンステラスケルトンと斑入りのオーレア

2025年7月21日

モンステラスケルトンからついに花芽(蕾)が誕生

2025年6月30日

一枚の葉の長辺サイズが1メートル以上に成長したモンステラスケルトン

2025年5月25日

地植えのモンステラスケルトンや斑入りのモンステラから続々と花芽?の様な突起が展開中

2025年5月9日

葉の切れ目の数が14個に増えたモンステラスケルトンの超大株

2025年5月7日

栽培丸3年目のモンステラスケルトン、葉の変態の変遷まとめ

2025年5月4日

最上級な穴あき葉が開いたモンステラスケルトン

2025年4月1日

初めての冬越しを成功した地植えのモンステラスケルトン

2025年2月6日

半年でモンステラスケルトンが超巨大化!地植え栽培の威力

2024年1月11日

栽培を開始して約2年が経過するモンステラスケルトン。トップカットよりボトムカットの方が大きく成長。

2023年11月20日

約75センチ、11もの切れ込みが入った葉が開いたモンステラスケルトン

2023年9月7日

モンステラスケルトンを直径15cmの極太支柱へ植え替え

2023年7月6日

切れ込みの数が異常に多いモンステラスケルトンの新しい葉

2023年6月4日

切れ込み穴あきが激しくなってきたモンステラスケルトン

2023年5月25日

成長したモンステラスケルトンの葉が美しい

2023年4月5日

約6ヵ月ぶりに開いたモンステラスケルトンの新しい葉は穴多め

2023年3月14日

穴あき細葉のモンステラスケルトン

2022年10月20日

シャープな葉に成長するモンステラスケルトン

2022年9月2日

穴あき、細葉、鋭い切れ込みがとても魅力的なモンステラスケルトン

2022年7月14日

新葉が開いてから一ヶ月経過していないのにも関わらず新しい葉が開いたモンステラスケルトン

2022年6月21日

ボトムカットのモンステラスケルトンから出て来た切れ込みが入った新しい葉

2022年5月29日

モンステラスケルトンのボトムカットに新しい葉を確認

2022年5月10日

モンステラスケルトンのボトムカットの栽培を開始

モンステラデリシオーサスケルトンの栽培記録については、以下のページで全てまとめています。

モンステラスケルトンとは?

モンステラスケルトンは、シャープな深い切れ込みの葉に復数の穴があくモンステラデリシオーサの仲間です。葉姿はスケルトンの名のごとく肋骨を連想します。成熟株は葉に穴のあくスペースがほとんど無いにも関わらず、無数の穴をあけとても迫力があります。モンステラデリシオーサの仲間だけに、葉は肉厚で丈夫な為、栽培環境が株に合えばとてもよく成長してくれます。私が育てているモンステラスケルトンは、地植え栽培で一枚の葉のサイズが約1メートルまで成長しています。また、モンステラスケルトンは、親木からの分け木のみで実生の株でスケルトンは存在しません。実生でモンステラスケルトンの名で販売されているモンステラは偽物となります。詳細については、以下のページでまとめています。