モンステラの気根は、自立する際の支えや空気中の水分を取り込む為の役割があるとされています。観葉植物の中でもモンステラが丈夫な理由の一つに、気根があるゆえに空気中からも水分を吸収できるという点がある様です。モンステラを栽培する際、支柱を使うと気根を使って支柱を上へ上へと登って行く姿を観察する事ができます。気根でガッチリと支柱を掴みながら上へと登るモンステラほど株が安定し、茎を太く成長させながら大きな葉を広げ成長が促されます。気根はモンステラの成長には欠かせない部位です。観賞用に邪魔な気根はカットしても構わないと言われている事もあるようですが、栽培しているモンステラにとっては必要な気根として成長してきたはずなので、よほど邪魔で無い限りはカットしないようにしています。気根を上手く植木鉢に収めながら仕立て上げると盆栽風となり愛着も高まります。
モンステラの気根について、実際に私が育てているモンステラを元に解説いたします。
目次
モンステラの気根とは
自立する際の支えや空気中の水分を取り込む為の役割

モンステラといえば、穴のあいた大きな葉と合わせて特徴的なのが気根です。写真で示すと上記赤丸箇所が気根となります。気根には自立する際の支えや空気中の水分を取り込む為の役割があるとされていますが、もう一つ明確な役割があります。それは上に登る為の役割です。そしてモンステラの気根は、「上に登る為の気根」と「幹を支える為の気根」の2種類があります。
モンステラの気根には2種類ある
「上に登る為の気根」と「幹を支える為の気根」
モンステラの気根には、「上に登る為の気根」と「幹を支える為の気根」の2種類があります。モンステラを2メートル以上に生長するまで栽培していると、この2種類の気根の存在に気が付かされます。モンステラの気根には2種類ある事実について、実際に私が育てているモンステラを元に解説していきたいと思います。

こちらは2メートル50センチまで育てたモンステラボルシギアナセブブルーミントです。モンステラの気根を解説するにあたり、こちらの株を元に説明を行っていきたいと思います。モンステラを大きく育てたいと思っていらっしゃる方は、以下のページに詳細をまとめています。
上に登る為の気根
上に登る為のモンステラの気根は、写真の赤枠で囲った箇所にある気根です。支柱の中にまるで芋虫の脚の様に茎から無数の気根を伸ばしている事が確認できます。モンステラは支柱仕立てにすると、上に登る気根を大量に発生させます。また赤丸で示した気根が、幹を支える為のモンステラの気根です。上に登る為のモンステラの気根と、幹を支える為のモンステラの気根を比較すると、幹を支える為のモンステラの気根の方が太い事が確認できます。

幹を支える為の気根
幹を支える為のモンステラの気根は、写真の赤丸で示した箇所にある気根です。上に登るモンステラの気根は、細く無数に発生するのに対して、幹を支えるモンステラの気根は、とても太いのが特徴で、地面まで長く生長します。地面に到達した気根の先に用土があればそこから根を生やし、幹を支えながら水分や養分を吸収し始めます。

上記のモンステラは、2メートル50センチの天井まで育てたモンステラボルシギアナセブブルーミントになります。モンステラボルシギアナセブブルーミントの詳細については、以下のページでご紹介しています。
支柱を捻じ曲げるほどのパワーがある気根
ネトロンパイプを捻じ曲げるモンステラの気根
状態よく2メートル以上に生長するモンステラの気根はもの凄い力を持っています。以下は硬いネトロンパイプの支柱を気根で抱きかかえる様に捻じ曲げるモンステラの姿です。こちらはモンステラデリシオーサの仲間であるモンステラシエラナです。写真をご覧いただくと、モンステラデリシオーサでも上に登るモンステラの気根と幹を支える為のモンステラの気根の2種類が存在する事を確認できます。


上記のモンステラは、2メートル50センチの天井まで育てたモンステラシエラナになります。モンステラシエラナの詳細については、以下のページでご紹介しています。
植物園で育つモンステラの気根
自然に近い状態で育つモンステラの気根を観察
鉢植えという限られた狭い空間でモンステラの気根を生長させるにあたり、植物園でより自然界に近い状態で育つモンステラの気根を観察するのも参考になります。植物園で育つモンステラたちは、もの凄い勢いで元気よく気根を伸ばしています。モンステラが多くの気根を伸ばすという事は、モンステラが育つその環境がモンステラにとって快適で適している事を意味していると思います。植木鉢という限られた狭い空間の中で、モンステラが心地よいと感じられる環境が作れるかは、栽培者本人の責任です。










気根を活かした根立ち(根上がり)仕立て
自然に近い状態で育つモンステラの気根を観察
モンステラの根立ち(根上がり)とは、モンステラの上部の葉を1~3枚残して、下葉をカット(剪定)し、根(気根)で立ち上げた仕立て方です。本来、根立ち(根上がり)とは、気根では無く植物の根を用いた仕立て方法です。なので根立ち(根上がり)では無く、気根立ち(気根上がり)と表現した方が正しく伝わるのかもしれません。モンステラデリシオーサは、一節に必ず一本の幹を支える為の気根が出てきます。この気根を活かして、仕立てていきます。上手く仕立てられると、幹立ち(幹上がり)よりもかなりインパクトのある草姿となります。

モンステラの根立ち(根上がり)については、以下のページで仕立て方含めて詳細をまとめています。
FAQ
モンステラの気根について寄せられたよくある質問と回答
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モンステラの気根は分岐して枝分かれする様に生長するのでしょうか?
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カット(剪定)してしまった気根が分岐して枝分かれする様に生長するかは不明です。過去、気根が用土で初根した先で根腐れが発生した際、新しい気根が分岐して初根した事がありました。この経験に基づくと、カット(剪定)した気根が分岐して枝分かれする様に生長する可能性はあると思います。
詳細については、以下の栽培記録でまとめています。
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モンステラの気根は、一節から一つの気根が発生するのでしょうか?
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モンステラの気根は、一節から一つの気根が発生するという規則はありません。状態が良いモンステラからは、以下の通り一節から大量の気根が発生します。
詳細については、以下の栽培記録でまとめています。
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邪魔な気根はカット(剪定)してもよいのでしょうか?
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モンステラの気根は切ってもよいのか?とよく質問されるのですが、私は極力カットせずに育てています。モンステラが気根を伸ばすという事は、気根が必要だから伸ばしているはずですので、人の手によってカットされる事はモンステラにとってストレスに感じるのでは?と思ってしまいます。自然界で立派に成長するモンステラは、人の手によって気根がカットされる事はありません。ただし、限られた生活スペースの中でモンステラを栽培しなくてはならないので、どうしても邪魔な気根がある場合はカットする様にしています。以下は私が栽培しているイエローモンスターです。
モンステラの気根の誘導については、以下の栽培記録でまとめています。

モンステラの仕立て方
実際のモンステラで実践している仕立てをご紹介
モンステラを仕立てる種類は、主に支柱で仕立てる方法、根立ち(根上がり)で仕立てる方法、幹立ち(幹上がり)で仕立てる方法の3種類があります。支柱での仕立ては、モンステラが自然界で育つ様に、モンステラを支柱に登らせて大きく成長させたい(モンステラの葉を大きく成長させたい)場合に行う方法で、様々なモンステラの種類で行います。根立ち(根上がり)、幹立ち(幹上がり)は、主にモンステラデリシオーサで行う仕立て方法になります。それぞれの仕立て方法について、以下のページでまとめています。
幹立ち(幹上がり)

モンステラの幹立ち(幹上がり)とは、モンステラの上部の葉を1~3枚残して、下葉をカット(剪定)し、幹(茎)で立ち上げた仕立て方です。
根立ち(根上がり)

モンステラの根立ち(根上がり)とは、モンステラの上部の葉を1~3枚残して、下葉をカット(剪定)し、根(気根)で立ち上げた仕立て方です。
支柱仕立て

モンステラの支柱仕立ては、モンステラをより自然環境に近い状態で育てたい場合に行う仕立て方です。モンステラが大きく成長します。

モンステラの各部の名称
モンステラの各部の名称は、主に葉、葉柄、茎、節、成長点、気根、根となります。モンステラを水耕栽培(水挿し)、挿し木、茎伏せで増やす際、各部の名称を知っておく必要があります。
モンステラの各部の名称