2025年10月15日、5番目となるモンステラ・スケルトン(Monstera Skeleton)の花が開花しました。これが今季最後の開花となります。今年は同一株から計5つの花が開花し、それぞれで斑入りモンステラ(オーレア)との交配を試みてきました。以下は開花の経過記録です。

これまでの交配では、モンステラ・スケルトンの花粉受粉特性や結実条件を観察しながら、自家受粉と他家交配(特に斑入り株との交配)の両面から検証を進めてきました。来季以降、この交配から斑入りのモンステラ・スケルトンが誕生する可能性があるのか、日本のマンションの庭という限られた環境で検証を続けています。仮に種が採れなくても、「なぜ結実しなかったのか」を考察すること自体が貴重な経験です。越冬・開花・交配という一連の過程を都市環境で実現することは、年単位で植物と向き合い、思考を深める上で非常に有意義だと感じています。

本株は、2022年5月10日にボトムカット株(株元から再発根させた挿し木株)として栽培を開始したモンステラ・スケルトン(Monstera Skeleton)です(過去の栽培記録はこちら)。約3年間という長期的な生育期間を経て、鉢植え環境下での開花および交配段階に到達できたことは、都市部でのモンステラ栽培においても極めて貴重な成果です。

一般的に、モンステラ属の開花には十分な成熟度と根系発達が必要とされますが、本株はボトムカットから再生した株でも開花に至る可能性を実証した例といえます。株の生理的成熟、栄養状態、光条件、根圏環境のいずれもが良好に保たれていたことが、今回の開花につながったと考えられます。

開花第5弾!モンステラ・スケルトン 2025年、最後の開花記録(2025年10月15日の記録)

本日開花したモンステラスケルトンです。

モンステラスケルトンの花
モンステラスケルトンの花

今回も前回同様やや小ぶりで仏炎苞の長辺サイズは約30センチです。

モンステラスケルトンの仏炎苞

いつも不思議なのですが、毎回壁側を向いて咲くので撮影と交配がとても大変です。

モンステラスケルトンの花

今回は8月23日に採取したモンステラオーレアの花粉と、10月10日に採取したノーマルのデリシオーサの花粉を交配してみました。

モンステラの交配用花粉

以下は8月23日に採取したモンステラオーレアの花粉です。

モンステラオーレアの花粉

以下は10月10日に採取したノーマルのモンステラデリシオーサの花粉です。

モンステラデリシオーサの花粉

静かに、そして確実に生長を続けるモンステラたち。その姿は、人間社会の喧騒とはまるで対照的です。お店の評判や他人の栽培方法、SNSで話題になる株の価値。そうした「外のノイズ」に心を奪われ騒ぐのは、いつも人間の側です。

私は、人や店、X以外のSNSやYoutube、他人のモンステラに一切興味がありません。ただ、自らの環境で、自分の手で丁寧に育て上げた株の生命の営みを見守ること。それこそが、園芸という営みの本質だと感じています。欲や競争ではなく、植物本来の美しさと静けさに寄り添う栽培。それが、私がモンステラと向き合う唯一のスタイルです。

引き続き成長に変化がありましたら、モンステラスケルトンの栽培記録を更新します。

モンステラスケルトンの栽培記録

Plant Cultivation Record

時系列で栽培記録が確認しやすいように本ページでご紹介しているモンステラデリシオーサスケルトンの栽培記録のみを一覧で以下にまとめています。

2025年10月15日

開花第5弾!モンステラ・スケルトン 2025年、最後の開花記録New!!

2025年10月6日

開花第4弾!モンステラスケルトンの開花と交配|屋外栽培で迎える秋の最終章

2025年9月23日

開花第3弾!モンステラスケルトンに30センチ超の大輪が咲く

2025年9月15日

開花第2弾!モンステラスケルトンに再び綺麗な花が開花

2025年9月4日

世界初!?モンステラスケルトンがついに開花・交配開始

2025年8月25日

花が咲くまで成熟したモンステラスケルトンの脇芽をトップカット

2025年8月15日

全長35センチを超えてきた巨大なモンステラスケルトンの花芽(蕾)

2025年8月2日

本格的に姿を現したモンステラスケルトンの花芽(蕾)

2025年7月27日

モンステラの交配に向け同時開花直前のモンステラスケルトンと斑入りのオーレア

2025年7月21日

モンステラスケルトンからついに花芽(蕾)が誕生

2025年6月30日

一枚の葉の長辺サイズが1メートル以上に成長したモンステラスケルトン

2025年5月25日

地植えのモンステラスケルトンや斑入りのモンステラから続々と花芽?の様な突起が展開中

2025年5月9日

葉の切れ目の数が14個に増えたモンステラスケルトンの超大株

2025年5月7日

栽培丸3年目のモンステラスケルトン、葉の変態の変遷まとめ

2025年5月4日

最上級な穴あき葉が開いたモンステラスケルトン

2025年4月1日

初めての冬越しを成功した地植えのモンステラスケルトン

2025年2月6日

半年でモンステラスケルトンが超巨大化!地植え栽培の威力

2024年1月11日

栽培を開始して約2年が経過するモンステラスケルトン。トップカットよりボトムカットの方が大きく成長。

2023年11月20日

約75センチ、11もの切れ込みが入った葉が開いたモンステラスケルトン

2023年9月7日

モンステラスケルトンを直径15cmの極太支柱へ植え替え

2023年7月6日

切れ込みの数が異常に多いモンステラスケルトンの新しい葉

2023年6月4日

切れ込み穴あきが激しくなってきたモンステラスケルトン

2023年5月25日

成長したモンステラスケルトンの葉が美しい

2023年4月5日

約6ヵ月ぶりに開いたモンステラスケルトンの新しい葉は穴多め

2023年3月14日

穴あき細葉のモンステラスケルトン

2022年10月20日

シャープな葉に成長するモンステラスケルトン

2022年9月2日

穴あき、細葉、鋭い切れ込みがとても魅力的なモンステラスケルトン

2022年7月14日

新葉が開いてから一ヶ月経過していないのにも関わらず新しい葉が開いたモンステラスケルトン

2022年6月21日

ボトムカットのモンステラスケルトンから出て来た切れ込みが入った新しい葉

2022年5月29日

モンステラスケルトンのボトムカットに新しい葉を確認

モンステラデリシオーサスケルトンの栽培記録については、以下のページで全てまとめています。

モンステラスケルトンとは?

モンステラスケルトンは、シャープな深い切れ込みの葉に復数の穴があくモンステラデリシオーサの仲間です。葉姿はスケルトンの名のごとく肋骨を連想します。成熟株は葉に穴のあくスペースがほとんど無いにも関わらず、無数の穴をあけとても迫力があります。モンステラデリシオーサの仲間だけに、葉は肉厚で丈夫な為、栽培環境が株に合えばとてもよく成長してくれます。私が育てているモンステラスケルトンは、地植え栽培で一枚の葉のサイズが約1メートルまで成長しています。また、モンステラスケルトンは、親木からの分け木のみで実生の株でスケルトンは存在しません。実生でモンステラスケルトンの名で販売されているモンステラは偽物となります。詳細については、以下のページでまとめています。

Types of Monstera

モンステラの種類