モンステラのミッドカット(Mid Cutting)は、主に水耕栽培(水挿し)や茎伏せに用いられるカッティングです。葉、葉柄、成長点、茎、気根がある場合は、水耕栽培(水挿し)。成長点、茎、気根がある場合は、茎伏せを行います。トップカット(Top Cutting)されたモンステラの下部において、葉、葉柄、成長点、茎、気根を残した状態でカットされます。トップカット(Top Cutting)との最大の違いは、カット以前のモンステラ全体株の中間層にある成長点から、新たな成長を促すところから開始になる為、成長過程の状態を継承するのでは無く、モンステラの成長を最初からやり直す事になるカッティング方法とされています。カッティングしてから時間の経過と共に鮮度を落としていく部位になる為、鮮度が悪いミッドカット(Mid Cutting)を入手してしまうと、水耕栽培(水挿し)や茎伏せに失敗する可能性がとても高いです。逆に鮮度の高いミッドカット苗を入手できると、とても容易に成長してくれます。トップカット(Top Cutting)、ボトムカット(Bottom Cutting)と比較すると、やや栽培難易度が難しいカッティングでもあります。
目次
モンステラのミッドカット
モンステラのミッドカットについて、ミッドカットの方法、ミッドカットした後の苗の管理方法、ミッドカットしたモンステラから新芽が展開する様子、ミッドカットしたモンステラの栽培記録についてご紹介致します。
ミッドカットの方法
モンステラのミッドカットの方法は、主に以下の2種類があります。それぞれ、写真の点線箇所でカットします。
ミッドカットした後の苗の管理方法
①葉が付いている状態の節(葉柄・成長点・気根を含む)でミッドカットした場合
葉が付いている状態の節(葉柄・成長点・気根を含む)でミッドカットした場合は、水耕栽培(水挿し)でモンステラを増やします。根が無いカットしたばかりのカット苗をそのまま植木鉢の土に鉢植えしてしまうと、根が無い事から水が吸えず葉が萎れてしまう事が過去にありました。気根があれば、土の中で気根から発根する場合もありますが、確実にモンステラを増やしたいのであれば、水耕栽培(水挿し)で根を増やしてから挿し木へと移行した方が安心です。また、ミッドカットした節の成長点から新芽が展開し成長してくると、親株から切り離した際に付いていた葉・葉柄は、以下写真の通り黄色く変色しながらやがて枯れ落ちます。
詳細は、イエローモンスターの栽培記録ページに掲載している以下の記事でご紹介しています。
②葉が付いていない状態の節(葉柄・成長点・気根を含む)でミッドカットした場合
葉が付いていない状態の節(葉柄・成長点・気根を含む)でミッドカットした場合は、茎伏せでモンステラを増やします。気根から根が出ているカット苗であれば、比較的容易に新芽を出す事ができますが、気根から根が出ていないカット苗や、カットしてから時間が経過し鮮度の悪いモンステラの場合、茎伏せ途中で茎が黒く変色して腐ってしまう事があります(参考:フリマサービスで購入したモンステラの茎が成長点含め黒く腐る)。
ミッドカットのモンステラから新芽が展開する様子
ミッドカットしたモンステラは、カットした成長点から新たな小さな芽を出し成長します。トップカットのモンステラは、親株の成長過程を継承しながら新しい葉を展開するのに対して、ミッドカットのモンステラは、茎の成長点から新しい小さな芽を出して成長します。以下は、実際にミッドカットされたモンステラデリシオーサとモンステラボルシギアナから新芽が出て来る様子を撮影した写真です。
モンステラデリシオーサ
ミッドカットしたイエローモンスターから新しい葉が展開している様子を撮影した写真です。小さな節のミッドカットと大きな節のミッドカットの写真になります。節の成長点から新芽を出し成長していきます。
モンステラボルシギアナ
ミッドカットしたモンステラボルシギアナから新しい葉が展開している様子を撮影した写真です。カット元の親株の茎に斑が入っているにも関わらず、新芽には斑が入っていなかったり、カット元の親株がハーフムーンにも関わらず、フルムーンや散斑など斑が安定せず、暴れ気味になる場合があります。
ミッドカット苗から栽培しているモンステラの栽培記録
ミッドカットから栽培を開始したモンステラの種類をご紹介致します。
ミッドカット苗から栽培しているモンステラデリシオーサの仲間
以下は、ミッドカット苗から栽培を開始したモンステラデリシオーサの仲間です。小さな節のイエローモンスター、大きな節のイエローモンスターをミッドカット苗の状態から栽培しています。
ミッドカット苗から栽培しているモンステラボルシギアナの仲間
以下は、ミッドカット苗から栽培を開始したモンステラボルシギアナの仲間です。ハーフムーン、斑入りモンステラボルシギアナ(2種類)をミッドカット苗の状態から栽培しています。
ミッドカット苗から栽培しているその他のモンステラ
以下は、ミッドカット苗から栽培を開始したその他のモンステラです。アカコヤグエンシス、アダンソニー、サブピンナータ、シルテペカナ、スプルセアナ、ピナッティパルティタをミッドカット苗の状態から栽培しています。
アカコヤグエンシス
アダンソニー
サブピンナータ
シルテペカナ
スプルセアナ
ピナッティパルティタ
モンステラのカット(剪定)について
モンステラのカット(剪定)には、成長しすぎて邪魔になった葉・葉柄のカット(剪定)と、モンステラを分割して株分する為のカット(剪定)と大きく分けて2種類あります。またモンステラを分割して株分する為のカット(剪定)には、トップカット(Top Cutting)、ミッドカット(Mid Cutting)、ボトムカット(Bottom Cutting)の3種類があります。水耕栽培(水挿し)、挿し木、茎伏せでモンステラを増やす場合は、モンステラの各部の名称と合わせて、モンステラのカット方法を知っておく必要があります。