モンステラのミドルカット(Middle Cutting)は、主に水耕栽培(水挿し)や茎伏せに用いられるカッティングです。葉、葉柄、成長点、茎、気根がある場合は、水耕栽培(水挿し)。成長点、茎、気根がある場合は、茎伏せを行います。トップカット(Top Cutting)されたモンステラの下部において、葉、葉柄、成長点、茎、気根を残した状態でカットされます。トップカット(Top Cutting)との最大の違いは、カット以前のモンステラ全体株の中間層にある成長点から、新たな成長を促すところから開始になる為、成長過程の状態を継承するのでは無く、モンステラの成長を最初からやり直す事になるカッティング方法とされています。カッティングしてから時間の経過と共に鮮度を落としていく部位になる為、鮮度が悪いミドルカット(Middle Cutting)を入手してしまうと、水耕栽培(水挿し)や茎伏せに失敗する可能性がとても高いです。逆に鮮度の高いミドルカット苗を入手できると、とても容易に成長してくれます。トップカット(Top Cutting)、ボトムカット(Bottom Cutting)と比較すると、やや栽培難易度が難しいカッティングでもあります。
モンステラのミドルカットについて、ミドルカットの方法、ミドルカットした後の苗の管理方法、ミドルカットしたモンステラから新芽が展開する様子、ミドルカットしたモンステラの栽培記録についてご紹介致します。
目次
ミドルカットの方法
成長点を残して節間でカット(剪定)

モンステラのミドルカットの方法は、主に以下の2種類があります。それぞれ、写真の点線箇所でカットします。
ミドルカットの流れ
実際にミドルカットを行ったモンステラの事例をご紹介
2025年3月30日
ミドルカットする位置を決定
ミドルカットを行う位置を決めます。ミドルカットは、成長点が付いた節間でカット(剪定)する方法です。大きく成熟したモンステラになると、1株から20節近いミドルカット苗が収穫できます。

2025年3月30日
ミドルカットを実施
ミドルカット直後の様子です。株元は茎が細い為、剪定バサミでカット(剪定)可能ですが、トップに近づくに連れて茎が太くなり、剪定バサミではカット(剪定)し辛い為、カッターナイフでカット(剪定)します。

2025年3月30日
水耕栽培(水挿し)へと移行
ミドルカット直後に水耕栽培(水挿し)を行い発根、発芽管理を行います。暖かい季節は、水耕栽培(水挿し)してから4日ぐらい、寒い季節は水耕栽培(水挿し)してから7日ぐらいで発根・発芽を確認する事ができます。

ミドルカットした後の苗の管理方法
カット後の管理は水耕栽培(水挿し)がおすすめ
ミドルカットした後の苗の管理方法は、水耕栽培(水挿し)で根を増やしてから、植木鉢の土に挿し木として鉢植えしてあげると栽培しやすいです。カットしたばかりの鮮度の高いモンステラであれば、茎伏せ栽培でも可能な場合があります。しかし、カットしてから随分と期間が経過してしまった鮮度の悪いモンステラや、親株の状態が悪いモンステラのミドルカット苗をいきなり茎伏せ栽培してしまうと失敗する確率が高いです。ミドルカットしたモンステラを状態よく栽培したい場合は、水耕栽培(水挿し)で根を増やしてから、挿し木栽培へと移行するのがおすすめです。水耕栽培(水挿し)の詳細については、以下のページでまとめています。
葉が付いている状態の節(葉柄・成長点・気根を含む)でミドルカットした場合の管理方法
葉が付いている状態の節(葉柄・成長点・気根を含む)でミドルカットした場合は、水耕栽培(水挿し)でモンステラを増やします。根が無いカットしたばかりのカット苗をそのまま植木鉢の土に鉢植えしてしまうと、根が無い事から水が吸えず葉が萎れてしまう事が過去にありました。気根があれば、土の中で気根から発根する場合もありますが、確実にモンステラを増やしたいのであれば、水耕栽培(水挿し)で根を増やしてから挿し木へと移行した方が安心です。また、ミドルカットした節の成長点から新芽が展開し成長してくると、親株から切り離した際に付いていた葉・葉柄は、以下写真の通り黄色く変色しながらやがて枯れ落ちます。

葉が付いていない状態の節(葉柄・成長点・気根を含む)でミドルカットした場合の管理方法
葉が付いていない状態の節(葉柄・成長点・気根を含む)でミドルカットした場合は、茎伏せでモンステラを増やします。気根から根が出ているカット苗であれば、比較的容易に新芽を出す事ができますが、気根から根が出ていないカット苗や、カットしてから時間が経過し鮮度の悪いモンステラの場合、茎伏せ途中で茎が黒く変色して腐ってしまう事があります(参考:フリマサービスで購入したモンステラの茎が成長点含め黒く腐る)。茎伏せの詳細は以下のページでまとめています。
ミドルカットのモンステラから新芽が展開する様子
カット後の管理は水耕栽培(水挿し)がおすすめ
ミドルカットしたモンステラは、カットした成長点から新たな小さな芽を出し成長します。トップカットのモンステラは、親株の成長過程を継承しながら新しい葉を展開するのに対して、ミドルカットのモンステラは、茎の成長点から新しい小さな芽を出して成長します。以下は、実際にミドルカットされたモンステラデリシオーサとモンステラボルシギアナから新芽が出て来る様子を撮影した写真です。
モンステラデリシオーサのミドルカット
ミドルカットしたイエローモンスターから新しい葉が展開している様子を撮影した写真です。小さな節のミッドカットと大きな節のミドルカットの写真になります。節の成長点から新芽を出し成長していきます。
小さな茎のミドルカット

大きな茎のミドルカット

どちらの茎も茎伏せにて管理した株になります。モンステラの茎伏せの詳細については、以下のページでまとめています。
モンステラボルシギアナのミドルカット
ミッドカットしたモンステラボルシギアナから新しい葉が展開している様子を撮影した写真です。カット元の親株の茎に斑が入っているにも関わらず、新芽には斑が入っていなかったり、カット元の親株がハーフムーンにも関わらず、フルムーンや散斑など斑が安定せず、暴れ気味になる場合があります。


どちらも挿し木にて管理した株になります。モンステラの挿し木の詳細については、以下のページでまとめています。
ミドルカット栽培事例のご紹介