2023年5月3日(過去の栽培記録はこちら)より栽培を開始した斑入りのモンステラ(オーレア)からついに花芽が出ました。開花後のモンステラ情報については、沢山あるのですが、開花前の花芽を出すモンステラの初動に関する情報が国内外色々探しても全く見つからなかった為、今後モンステラの開花を目指す方の為にもまとめておきたいと思います。斑入りのモンステラ(オーレア、ホワイトタイガー、セブブルーミント)は、現在全て地植え栽培を行っています。斑入りのモンステラを地植えに移行した理由は、鉢植えだと美しく年単位で維持できなかった為です。ホワイトタイガーについては、2回(2023年、2024年)屋外で越冬させているのと、オーレアについては、1回(2024年)屋外で越冬させています。今回、花芽が出たのはオーレアになります。2回越冬を経験しているホワイトタイガーでは無く、1回しか越冬を経験していないオーレアに花芽が付いた理由は、単純にオーレアの方が地植え栽培移行時の株が大きかった(鉢植え栽培の時点で大きく成長した株だった)為です。そしてモンステラから花芽が出る初動として以下3点が確認できました。

  1. とても複雑な形状の葉が開く
  2. 気根の量が増える
  3. 茎の分岐(枝分かれ)が出る

上記3つが具体的にどの様な動きだったのかと合わせて、ついに登場したモンステラの花芽についてご紹介致します。

モンステラに花芽が出る際の初動について(2025年6月27日の様子)

モンステラの花芽

以下はマンションの庭で地植え栽培している斑入りのモンステラ(オーレア)から発生してきた花芽(2025年6月27日撮影)です。恵まれた温室では無く、普通のごく一般的な屋根も無いマンションの庭で地植え栽培しているモンステラから誕生した花芽になります。庭ですので用土はマンション建設時の廃材(ビニール、軍手、針金、コンクリートブロック等)まみれの土です。支柱は無く、モンステラが登りやすい様、背面に園芸用のフェンスを設置しています。

モンステラの花芽

設置している園芸用フェンスはAmazonで購入する事ができます。

鉢植え栽培開始からわずか2年で花芽まで到達した斑入りのモンステラ

この斑入りのモンステラ(オーレア)は、もともと植木鉢で2023年5月3日(過去の栽培記録はこちら)から育てていた株です。栽培開始当初のトップカット苗と、現在の状態を比較した写真は以下の通りです。2023年5月3日から栽培を開始し、わずか2年で花が咲くところまで成長しました。

Before

地植え栽培における葉焼け

屋根の無い屋外(庭)での管理になりますので、雨風雪直射日光が直撃する環境です。その為、以下の通り葉焼けもしていますが、花芽が出るまで成長しています。鮮やかな黄斑が入るとても美しい斑入りのモンステラです。

同じく庭で地植え栽培中のモンステラスケルトンもご覧の通り思いっきり葉焼けしていますが、こちらも花芽の初動を確認しています。

モンステラスケルトンの詳細については、以下のページでまとめています。

地植え栽培を始めたきっかけ

今回、モンステラが地植え栽培で花が咲くところまで到達できたのですが、なんでそもそもモンステラを地植え栽培にしたの?という点についても以下にまとめておきたいと思います。

まずはこちら。2021年、2022年頃のアロイドブームの火付け役、斑入りのモンステラボルシギアナです。

斑が傷んで枯れまくりのホワイトタイガー

そして当時、もの凄い高値で販売されていたモンステラオーレアです。

枯れやすい黄斑のモンステラオーレアの新しい葉

当時ホワイトタイガーについては、白勝ちと呼ばれる真っ白なモンステラが大量販売され、オーレアについては黄斑が鮮やかな株が数十万円もする高値で販売されていました。私自身もこれら斑入りのモンステラを高値で購入してしまった一人なのですが、写真を見て確認できる通り、斑が鮮やか(斑入りの面積が多い葉)なモンステラは、斑入り部分が傷んで茶色くなってしまい年単位で綺麗な斑入りの葉の維持が無理です。特にこの現象は、一般家庭において屋外栽培から屋内栽培へと切り替えた際、冬場葉水を与えた際、寒暖差、乾湿の落差によるストレスを受けた際などに発生しやすいです。

では販売時、大きく綺麗に育ったく鮮やかな斑入りのモンステラがあるのはなぜなのか?それは環境の変化が少ない温室育ちだからです。寒暖差、乾湿の変動が大きい日本の一般家庭で、年単位で斑入りのモンステラ(特に斑の面積が多いモンステラ)を育てる事はもの凄い難しいです。当時、価格が高いモンステラの方が丈夫に育つと勝手に思い込んでしまっていた為、愚かにも価格が高い斑入りのモンステラに飛びつきまくってしまいました。そして、「人間目線では茶色くなったモンステラには観葉価値が無いと判断してしまうけれど、モンステラ目線では茶色くなってしまっても大きく成長したいはずだ。」と思った事が地植え栽培開始のきっかけです。

2021年、2022年・・・と続いたアロイドブームで販売されていた大量の斑入りのモンステラたちは、果たして現在一般家庭でどれほど美しく育っているのでしょうか?私は地植えに切り替えられましたが、鉢植え栽培しか続けられない家庭環境でしたら、販売店や出品者に対して強烈なクレームを入れてしまっていたかもしれません。私が2021年9月6日から3年以上悩み続けてきた斑入りのモンステラ(ボルシギアナ)の栽培記録は、以下のページでまとめています。そして斑入りのモンステラ(ボルシギアナ)を購入する事は二度とありません。

3年半モンステラを購入し育てる立場でいて感じた事

今回、マンションの庭でモンステラに花芽が付くまで育てられましたが、以下は購入者として3年半モンステラを購入する立場でいて感じた事です。

仕入れが出来る、温室での管理もできる、売る事もできる、でも購入者と同じ目線で一般家庭で花が咲き、成熟するまで年単位の長期で、斑入りのモンステラを育てきれる販売店や出品者ってもしかしていないのではないでしょうか?どこかの店舗のYoutubeをみていた時、「店舗は売るのが仕事、育てるのは購入者であるみなさんの仕事ですから」と発信しているところがあり、こんなお店から植物を買う事なんて絶対に無いと思ったのと、もしかして販売店や出品者は皆同じ事を思っているのでは?と、とても悪い印象を持ってしまいました。

斑入りのモンステラを販売する立場であるのであれば、環境が一定の温室では無く、寒暖差、乾湿の落差が大きい日本の一般家庭(せめて首都圏)で年単位での育成検証が必要なのではないでしょうか?高額=レアでは無く、高額=長期生育保証でなければ、数十万、数百万もする斑入りのモンステラなんて買えません。そしてそんな斑入りのモンステラなんて存在しない事も知っています。私は信頼できる方(日本国内にはお一人しかいません)からのみ、引き続き植物を買っていきたいと思います。

アロイドブームを通じ、栽培環境や育て方が悪いと責任転換させられた多くの斑入りモンステラの購入者がいらっしゃいますが、私の元には、これら責任転換させられた購入者の方々からのご不満やクレーム相談のお問い合わせをものすごい沢山いただいています。そして私自身も責任転換させられた購入者の一人ですが、販売店、出品者を頼る事なくやっと自らの手で、庭で地植え越冬させながら斑入りのモンステラに花を咲かせるところまで到達できました。

モンステラが花芽を出す初動について

とても複雑な形状の葉が開く

モンステラが花芽を出す初動その1は、とても複雑な形状の葉が開くという点です。以下は2025年5月2日(過去の栽培記録はこちら)に発信したデリシオーサの様な葉姿をしたオーレア(ボルシギアナ)の葉です。

モンステラの花芽が出る初動

以下の写真は、上記写真の葉の次に展開してきた葉です。ボルシギアナでも花芽が出る初動時には、こんな複雑な葉が開いてきます。誰が見ても「このモンステラの葉は凄い!」と感じるモンステラの葉こそ成熟した証です。凄い葉は開く前から分かります。

モンステラの花芽が出る初動

気根の量が増える

モンステラが花芽を出す初動その2は、気根の量が増えるです。気根の量がただ単に増えるのでは無く、以下の通り異常に増えます。こちらは2025年5月2日に撮影した時の写真です。なんか気根多いかな?ぐらいにしか感じていませんでした。

モンステラの花芽が出る初動

以下は2025年6月25日に同じ箇所を撮影した写真です。別の生き物?とやや恐怖すら感じるほどの気根の量です。

モンステラの花芽が出る初動

モンステラの気根は2種類あります。一つは幹全体を支える為の気根、もう一つは上に登る為の気根です。この2種類の気根は、茎からの出方が異なるので、一目見れば直ぐにどちらの気根なのかが分かります。上記写真の異様な気根は、上に登る為の気根です。つまり花を咲かせるにあたり、上に強烈に登りたい欲がモンステラから出ている事が確認できます。モンステラの気根についての詳細は、以下のページでまとめています。

茎の分岐(枝分かれ)が出る

モンステラが花芽を出す初動その3は、茎の分岐(枝分かれ)が出るです。2025年5月25日の栽培記録にて、「地植えのモンステラスケルトンや斑入りのモンステラから続々と花芽が展開中」と発信してしまったのですが、結果的に以下の突起は全て茎の分岐でした。

今までモンステラの花を咲かせた事が無い立場だと、こんなに突起が沢山出てきたらこれが花芽だと勘違いしてしまいます。

以上がモンステラが花芽を出す直前に確認できたモンステラの初動3点です。モンステラの内側に蓄積されたエネルギーが、開花のパワーに相乗して表面化した動きだと感じました。そしてこれらの動きは全て、用土では無く、肥料基点でスイッチが入っています。マンション建設時の廃材(ビニール、軍手、針金、コンクリートブロック等)まみれの用土でもモンステラは花が咲きます。

モンステラの花芽の初動で出た茎の分岐、大量の気根、花芽を動画でも撮影しました。ご興味ある方はご覧くださいませ。

普段利用している肥料

私はAmazonでいつでも購入できる緩効性肥料(マグァンプK)、効性肥料(液体肥料・ハイポネックス原液)および、活力剤(リキダス)しか使っていません。特別なものを使ってしまうと手に入らなくなってしまうと困るのと、広告業界にも携わっているせいか、過剰にPRされる新商品を見ていると敬遠してしまいます。特に肥料は、植物の体内へと吸収される物なので、長年販売されている実績ある商品のみを使う様にしています。肥料は適切な物を適切な量で適切に与える事がもの凄い重要です。そして適切とは、パッケージに記載された分量と合わせ、自らの環境に合った匙加減を自ら見つけ出さなくてならない事を意味します。

今年は他の地植え株でもこれらの初動を確認する事ができているのですが、株の状態の良し悪しによっても初動の大きさが異なります。今回ご紹介した株は初動が顕著に表れたのですが、他の株ではここまで強い初動が見られなくても花芽までたどり着いている株もあります。目視確認できる初動は、株の状態によって大小がありますが、花芽を出すモンステラには必ず予兆が出ます。

今回、X(旧ツイッター)中心にモンステラの花芽の情報を発信していたのですが、DMをいただいた方の中に2年では無くもっと早く花芽までつなげられる改善ポイントを指摘してくださった方がいらっしゃって驚きました。お金があればモンステラは手に入りますが、どんなにお金があっても優れたモンステラ栽培のノウハウを手に入れる事はできません。今回、マンションの庭でモンステラに花芽を付けた事はかなりインパクトがあったみたいで、日本国内の優秀なグリーンハンド(グリーンハンドとは、植物栽培が上手な人を指す和製英語)な方々が私にコンタクトを取ってきてくださいました。

そしてみなさんとても謙虚で、珍しいモンステラを入手したとか販売したとか著名な誰々と知り合いだという事でドヤドヤ(ドヤドヤは実は弱さの象徴)する様な方は誰一人としていません。しかし実績から得られた植物栽培のノウハウをお持ちなスペシャリストな方々です。今回そんな方々と知り合えた事も自分にとっては、今後につながる大きな収穫となりました。花芽を付けてくれたモンステラたちに感謝の気持ちでいっぱいです。

黄斑が入ったモンステラの蕾が出てきました。詳細は以下の栽培記録にまとめました。

モンステラ オーレアとは?

モンステラオーレは、モンステラボルシギアナ黄斑が入ったモンステラです。同じ黄斑モンステラでもモンステラデリシオーサに黄斑が入ったモンステラの種類イエローマリリンと呼ばれています。モンステラオーレアを実際に栽培していて感じた事は、黄斑が鮮やなオーレアほど価格が高額になりますが、黄斑が鮮やかなほど、斑入り部分が痛みやすく枯れやすいです。モンステラオーレアを植木鉢で大きく育てたい場合は、が鮮やかで高額なオーレアの購入は避けておいた方が無難だと感じます。緑が多いオーレアの方がとても育てやすいです。「が鮮やかなモンステラは環境の変化が大きい一般家庭で美しく大きく育てる事が難しい。」これは、ホワイトタイガー(アルボ)にも同じ事が言えます。

Types of Monstera

モンステラの種類